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令和3年度第11回バトン勉強会と事例検討会を開催しました。

2月9日(水)18時から令和3年度第11回バトン勉強会と事例検討会を開催しました。

講師は、徳田法律事務所代表 徳田靖之弁護士です。

全身のしびれや痛み、失明などをもたらした整腸剤「キノホルム」による薬害スモン訴訟や、血友病患者が使用する非加熱製剤にHIV(エイズウイルス)が混入しHIVに感染した被害者による薬害エイズやハンセン病患者隔離政策など、国を相手にした訴訟で個人の人権を回復させてこられ、徳田先生の優秀さは、衆目の認めるところです。そして、誠実な人柄、謙虚さは人としても尊敬されています。

今回は、「人としての尊厳を守るためには」と題して、薬害エイズの問題で、加熱製剤がアメリカで承認されたが、それにより日本の製薬(会社)が売れなくなるということで、自社の利益のために、国と製薬会社と医師の三位一体の構造により、血友病患者(特に子どもや青年)に被害が拡大したこと。また製薬会社の本質と現在のコロナワクチンをめぐる格差(日本では3回目の接種がすすんでいるが、発展途上国では、未接種者が多いなどの不条理など)や膨大な利益を得ているであろう製薬会社の倫理観。強者や多数派の利益のために弱者や少数派の尊厳が平気で無視されることなど、日本や世界の動きを通して人間の尊厳について学びました。

らい菌により感染した慢性感性病にもかかわらず、遺伝病と誤った認識のもとで、国策によりらい予防法が制定された。ハンセン病患者隔離政策で投獄されているような辛い生活状況(強制労働、断種、堕胎(優性政策)、無らい県運動(地域で排除・学校で差別・排除、結婚・就職への悪影響))や偏見など、差別の根源は国にあるが、社会で実際に差別をしたのは、隣人、教師、親戚等の地域住民であること。などをお聞きして、日本の中で人間として扱われていなかった状況に耳を覆いたくなるような憤りを感じました。特に、黒川温泉宿泊拒否事件でハンセン病患者さん宛の手紙を先生が読まれたとき、心無い言葉の羅列に、悲しくなりました。

私たちは、まだまだ知らないことがたくさんあります。真実を知る努力をこれからもしていきたい。そして、自分の中にも潜んでいるであろう、差別の目を摘んでいきたいとおもいます。

先生は、子宮頸がんワクチン問題や公共交通機関(JR)の無人駅化問題にも取組まれています。

今回の勉強会を通して、かかわりが少ないから興味がない、知らないから良いではなく、徳田先生が取り組まれている問題も含め、自分たちの問題としてとらえ、興味を持ち、知識を得て、できることを協働していきたいと思います。権利擁護支援事業を行う団体として、差別や偏見がなくなり、自分らしく、笑顔で温かな心で、おたがいさまと言って、助け合える地域になれるよう今後も取り組んでいきたいと考えます。