法定後見制度の概要


○ 法定後見は、ご本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3 つに類型化

 され、申立てを受けた家庭裁判所が、本人を援助する者として 成年後見人、または保佐人、

 補助人を選任します。
○ 成年後見人等は、
本人意思尊重義務に従い、審判の内容や法に規定された代理権、同意権・

 取消権を行使し、身上配慮義務、財産管理や身上監護を行います。


 ※以下の本文 「成年被後見人等」とは本人のことであり、被保佐人、被補助人を含む。また「成年後見人等」とは保佐人、補助人を含む。
○ 旧制度での「禁治産」、「準禁治産」はそれぞれ「後見」、「保佐」の審判を受けたものと

  みなされる(民法附則第3条)。その場合、登記を申請し、登記されると法務局より登記

  された旨の通知が市町村になされ、それをもって戸籍が再製される。

  (後見登記等に関する法律附則第2条)
○ 現行の成年後見制度においても各個別法において依然資格制限が定められている。

  以下に例を示す。
 ・成年被後見人
  印鑑登録(自治省印鑑登録証明事務処理要領、各市町村条例)など。
  なお、被保佐人には上記の資格制限はない。
 ・成年被後見人・被保佐人
  校長、教員(学校教育法第9 条)
  国家公務員(国家公務員法第38 条)及び地方公務員(地方公務員法第16 条)
  社会福祉法人の役員(社会福祉法第36 条第4 項)など。
○ 「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律

  (平成25年法律第21号)」、「公職選挙法施行令及び日本国憲法の改正手続に関する法律

  施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第159号)」及び「日本国憲法の改正手続に

  関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成25年総務省令第63号)」が平成25年5月

  31日に公布され、それぞれ改正法の公布の日から起算して1月を経過した日(平成25年6月

  30日)から施行された。
■民法附則(平成11 年12 月8 日法律第149 号)第3条(禁治産及び準禁治産の宣告等に

  関する経過措置)
 旧法の規定による禁治産の宣告は新法の規定による後見開始の審判と、当該禁治産の

 宣告を受けた禁治産者 並びにその後見人及び後見監督人は当該後見開始の審判を

 受けた成年被後見人並びにその成年後見人及び成年後見監督人とみなす(以下略)
■後見登記等に関する法律附則第2 条(禁治産者及び準禁治産者についての経過措置)
 民法の一部を改正する法律(平成11 年法律第149 号。以下「民法改正法」という。)

 附則第3条第1項の規定により成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人と

 みなされる者又は当該成年被後見人とみなされる者の配偶者若しくは四親等内の親族

 は、政令で定めるところにより、後見の登記を申請することができる。 (以下略)
  登記官は、前三項の規定による登記をしたときは、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者に

 対し、その旨の通知をしなければならない。
  戸籍事務を管掌するものは、前項の通知を受けたときは、法務省令で定めるところにより、

 当該通知に係る成年被後見人とみなされる者又は被保佐人とみなされる者の戸籍を再製

 しなければならない。